白いホコリみたいな虫の正体とは?
ふと気づくと、壁や本棚、床の隅で何かが動いている。目を凝らしてみると、まるで白いホコリか粉のように見える、体長一ミリほどの非常に小さな虫。この不快な訪問者の正体は、一体何なのでしょうか。多くの家庭で悩みの種となる「白いホコリみたいな虫」の正体は、そのほとんどが「コナチャタテ」か「コナダニ」という種類の生物です。まず、コナチャタテは、その名の通りチャタテムシの一種で、体長は一ミリから二ミリ程度、体は白っぽく半透明で、細長い形をしています。活発に歩き回るのが特徴で、本棚や押し入れ、畳、壁紙の隙間など、湿気が多くカビが生えやすい場所でよく見られます。彼らの主食は、私たちが目には見えないような微細なカビや、食品の粉、本の糊などです。一方のコナダニは、ダニの一種で、コナチャタテよりもさらに小さく、体長は〇.五ミリ程度。体は乳白色で、動きは比較的ゆっくりしています。小麦粉や片栗粉、乾物、調味料といった粉製品や、畳、カーペットなどで大発生することがあります。こちらも湿度の高い環境を好み、カビや食品を餌にします。この二種類を見分けるのは非常に困難ですが、比較的活発に歩き回っていればコナチャタテ、動きが鈍く粉の中でうごめいているように見えればコナダニの可能性が高いでしょう。もちろん、他にもトビムシの仲間など、白い小さい虫は存在しますが、室内で広範囲に発生している場合は、まずこの二つを疑うべきです。ホコリだと思って放置していたら、いつの間にか数が増えていたというケースは少なくありません。もし、白い粉のようなものが動いているのを見つけたら、それはホコリではなく、あなたの家で繁殖している小さな生物であるというサインなのです。