虫に刺されて水ぶくれができた時、その後の対処や予防のためにも「一体、どの虫にやられたのだろうか」と気になるものです。刺された瞬間に虫の姿を確認できれば良いのですが、多くは後から症状に気づきます。しかし、刺され方や症状の特徴から、ある程度犯人を推測することが可能です。まず、刺された直後から強い痛みがあり、しばらくして中心部に出血点を伴う激しいかゆみと腫れ、そして水ぶくれが現れた場合、最も疑わしいのは「ブヨ(ブユ)」です。特に、高原や渓流沿いなど水がきれいな場所で、朝方や夕方に足元を集中して刺されたら、その可能性は高いでしょう。次に、刺された記憶はほとんどないのに、翌日以降に猛烈なかゆみと赤い発疹が多数現れ、その一部が水ぶくれになる場合は「ヌカカ」の仕業かもしれません。ヌカカは体長一ミリ程度の非常に小さな虫で、網戸も通り抜けてしまいます。症状が遅れて出ること、そして一度に多数の箇所を刺されるのが特徴です。一方、屋外の活動中、特に庭仕事やハイキング中に、突然チクチク、ピリピリとした痛みを感じ、その部分が線状に赤く腫れ上がり、細かい水ぶくれが並んだ場合は「毛虫(チャドクガなど)」に触れた可能性を考えます。これは刺されたのではなく、毛虫の持つ毒針毛が皮膚に刺さったことによる皮膚炎です。また、寝ている間に刺され、衣類で隠れている腹部や太ももなどに、かゆみの強い赤い発疹や水ぶくれが二か所セットでできている場合は「イエダニ(ツメダニ)」が犯人かもしれません。彼らは布団や畳、カーペットに潜み、夜間に人を刺します。これらの特徴はあくまで一般的な傾向ですが、症状から原因となる虫を推測することで、今後の予防策も立てやすくなります。例えば、ブヨ対策なら足元のガードを固める、毛虫対策なら庭木の剪定に気をつけるなど、より的確な対応が可能になるのです。
水ぶくれの原因はこの虫かも?症状から犯人を探る方法