キッチンは、食品を扱う最も清潔に保ちたい場所であるにもかかわらず、皮肉なことに「白いホコリみたいな虫」、特にコナダニにとっては最高の繁殖場所となり得ます。彼らが好む「湿度」「温度」「餌」という三つの条件が、いとも簡単に揃ってしまうからです。キッチンで白い小さい虫を見つけてしまった場合、それは食品にまで被害が及んでいる可能性を示す危険なサインです。ここでは、キッチンに特化した撃退法と予防策を解説します。まず、キッチンで白い虫を発見した場合、真っ先に疑うべきは、小麦粉や片栗粉、お好み焼き粉、ホットケーキミックスといった粉製品、そしてパン粉や乾麺、スパイスなどの乾物類です。これらの食品の袋を開けて、中身をよく観察してみてください。もし、粉の表面が動いているように見えたり、ダマになっていたり、異臭がしたりする場合は、内部でコナダニが大発生している証拠です。残念ながら、こうなってしまった食品を安全に食べる方法はありません。もったいないと感じるかもしれませんが、健康被害を防ぐためにも、袋ごとビニール袋に入れて口を固く縛り、潔く廃棄してください。次に、発生源となった食品を保管していた収納棚や引き出しを徹底的に清掃します。まずは掃除機で隅々まで粉や虫を吸い取り、その後、消毒用アルコールを吹き付けた布で水拭きします。アルコールには殺虫効果と除菌効果があるため、残った虫や卵、カビを死滅させることができます。駆除と清掃が終わったら、今後の予防策を徹底します。粉製品や乾物は、購入してきたらすぐに密閉性の高い容器(ガラス瓶やプラスチック製の保存容器など)に移し替えるのが基本です。そして、最も効果的なのは、これらの食品を常温保存せず、冷蔵庫で保管することです。コナダニは低温では活動・繁殖できないため、冷蔵庫の中は彼らにとっての安全地帯となります。シンク下の収納は湿気がこもりやすいため、定期的に扉を開けて換気し、除湿剤を置くなどの対策も有効です。
キッチンに潜む白い粉ダニの撃退法