家の中で発生する蟻の多くは、元々は屋外、すなわち庭やベランダに巣を作っています。そして、餌を求めて、あるいはより快適な環境を求めて、家の中へと侵入してくるのです。つまり、家の中でのアリ対策を完璧なものにするためには、その供給源である「家の外」の対策が、決定的に重要となります。庭やベランダからの蟻の侵入を防ぐための、具体的な予防策を解説します。まず、家の基礎部分や、外壁を注意深く点検し、蟻が侵入できそうな「隙間」を徹底的に塞ぐことが基本です。壁のひび割れや、配管が壁を貫通する部分の隙間、あるいは、窓やドアのサッシと壁の間の隙間などを、シーリング材やパテで丁寧に埋めていきます。基礎部分にある換気口には、目の細かい金網などを取り付けるのも有効です。次に、蟻を家に「誘引するものを置かない」ことです。庭に、ジュースの空き缶や、お菓子の袋などを放置するのは、蟻を呼び寄せているようなものです。バーベキューなどをした後は、食べかすや油汚れをきれいに洗い流しましょう。また、アブラムシが発生している植木鉢にも注意が必要です。アリは、アブラムシが出す甘い排泄物を好むため、アブラムシを駆除することが、間接的にアリ対策にも繋がります。そして、最も効果的なのが、家の周りに「薬剤のバリアを張る」ことです。ホームセンターなどで市販されている、アリ用の粉末状または粒状の殺虫剤を、家の基礎に沿って、ぐるりと一周、帯状に撒いておきます。これにより、地面を歩いて侵入しようとするアリを、家屋に到達する前にシャットアウトすることができます。液体タイプの忌避剤を、玄関や窓の周りにスプレーしておくのも良いでしょう。これらの対策は、一度行えば終わりではありません。薬剤の効果は、雨などによって薄れていくため、定期的に(例えば、月に一度など)散布し直すことが、防衛線を維持するための鍵となります。
庭やベランダからの蟻の侵入を防ぐ