ある日突然、家の中に現れる白いホコリみたいな虫。掃除をきちんとしているはずなのに、なぜこんな虫が湧いてくるのかと、不快感と同時に疑問を感じる方も多いでしょう。これらの小さな虫、主にコナチャタテやコナダニが発生する背景には、必ず共通した原因が存在します。その二大原因こそが、「高い湿度」と「豊富な餌」です。まず、最も重要な発生要因は「湿度」です。コナチャタテやコナダニは、湿度が六十パーセントを超え、気温が二十度から三十度程度の環境を最も好みます。この条件下では、彼らの活動や繁殖が非常に活発になります。特に、梅雨の時期や秋の長雨の季節、そして冬場の結露が発生しやすい時期は、室内が彼らにとっての楽園と化します。窓を閉め切りがちな現代の気密性の高い住宅は、意識して換気を行わないと湿気がこもりやすく、これらの虫にとって絶好の住処を提供してしまうのです。新築やリフォーム直後の家でも発生することがありますが、これは壁紙の糊や建材がまだ完全に乾ききっておらず、高い湿度を保っているためです。次に重要なのが「餌」の存在です。彼らの主食は、カビやホコリ、人間のフケや垢、そして食品のカスなどです。湿度が高い環境では、私たちの目に見えないような微細なカビが壁や床、家具の表面に発生しやすくなります。これが、彼らにとっての豊富な食料源となるのです。また、キッチンにこぼれた小麦粉や調味料、開封したままの乾物、本棚に積もったホコリや本の装丁に使われている糊、畳にしみ込んだフケなども、彼らを呼び寄せ、繁殖させる原因となります。つまり、白い小さい虫が発生したということは、あなたの家が「湿気が多く、彼らの餌が豊富な状態にある」という危険信号に他なりません。この二つの原因を理解し、対策を講じることが、根本的な解決への第一歩となります。